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石井邦一公益社団法人茨城県森林・林業協会理事長インタビュー

2022.04.25

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 今年4月、公益社団法人県林業協会は公益社団法人県緑化推進機構と一般社団法人県治山林道協会を吸収合併し、新たに公益社団法人県森林・林業協会となった。森林は国土の保全、水源の涵養、地球温暖化の防止、木材供給などに欠かせないもの。林業は2050年カーボンニュートラルの実現に寄与する産業として期待されている。「林業の振興と森林の公益的機能の向上」を掲げる同協会。その理事長を務める石井邦一理事長に話を聞いた。

 -理事長就任の抱負を
 これまで諸先輩方や関係者の皆さまのご尽力により受け継がれてきた歴史、そして思いをしっかりと継承し、森林・林業・木材産業のさらなる活性化につなげていく。林業の振興と森林の公益的機能の向上を図り、県民の公共福祉への貢献、緑豊かな県土の保全、山村地域経済を支える産業の育成に寄与していきたい。
 合併により正会員78団体・市町村の組織となったが、3法人が取り組んできた事業は引き続き実施する。大きな変革期にある中、県民の皆さまが笑顔になれるよう、林業関係団体と連携し、決意を新たに「みどりの新時代」をリードすべく、森林・林業・木材産業の発展に向けて果敢に挑戦していく。
 我が国の森林資源は本格的な利用期を迎えており、「伐って、使って、植えて、育てる」という緑の循環システムを確立し、持続的な森林経営を推進することにより、森林・林業・木材産業の成長産業化につなげていかなければならない。
 伐採したらそのままにせず、新しく植樹して育てていく。育ったらそのままにせず伐採し、新築する建築物などに活用する。このバランスが崩れると土砂災害などにつながる危険性もあるので、いかにバランスを保つかが非常に重要だ。
 建築物への活用については、これまで5市に公共施設への活用の要望活動を実施した。残りの市町村にも要望していきたい。昨年には「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行され、基本方針等の対象が公共建築物から建築物一般に拡大された。今後、木材はより身近なものになっていくだろう。
 また、現場で働く人の高齢化も進んでおり、人材の確保・育成も大切。近年は高性能の建機を現場に入れているため、女性でも作業ができ、危険な重労働という過去のイメージはかなり変わってきていると思う。

 -森林湖沼環境税の4期目がスタートした
 自然がもたらす恩恵を県民の誰もが等しく享受しており、本県の豊かな自然環境を良好な状態で次世代に引き継ぐためにも、とても意義のある税制度。継続となったことを嬉しく思う。
 1期目がスタートした当時は森林の間伐などに使われ、そのおかげで森林の適切な保全・整備が推進された。時代が変わった現在は経営の自立化、すなわち儲かる林業の実現に向けて取り組みを進めていかなければならない。今後もとどまることなく継続していくことを願っている。

 -新しい取組は
 「茨城県市町村森林管理サポートセンター」を新たに設置し、森林・林業に関する専門知識や技術を持つ地域林政アドバイザーが市町村による森林管理をサポートする。2019年度から森林経営管理制度や森林環境譲与税が導入され、これを活用した市町村による事業展開が本格化しつつある。しかし、運用方法が分からないという声もよく聞く。アドバイザーは地域に精通した森林・林業のプロなので、それぞれの地域の特性に応じたアドバイスができるだろう。
 また、来年秋には第46回全国育樹祭が本県で開催される。皇族のご臨席を賜るとても大切な行事なので、しっかりと準備していきたい。県民全体で緑を守り育てるという意識が高まり、県民参加による森林づくりがさらに進むよう、行政や関係団体との連携強化に取り組んでいく。
 ◇プロフィール◇
 1965年10月12日生まれ。56歳。大子町出身。県議会議員(常陸太田市・大子町選挙区、現在4期目)としても活躍中で、2020年12月~21年12月まで副議長を務める。趣味はスポーツ、ドライブ、旅行。座右の銘は「絆」「初心忘るべからず」。

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