コラム「四季の風」

古典の世界をもう一度

2024.05.28

コラム「四季の風」

◆昨日5月27日は百人一首の日だったそうだ。1235年のこの日、小倉百人一首が完成したという説に由来する。百人一首といえば、学生時代に暗記しようとした記憶があるが、もうほとんど忘れてしまった。現在放送中の大河ドラマ『光る君へ』の主人公である紫式部や、彼女を取り巻く登場人物たちの歌も選ばれているというので、彼女たちの歌からまた覚えていこうか。

◆『光る君へ』は平安時代の作家が主人公なだけあって、文字を書く場面が多い。流れるように美しい字や、人物の性格を表したような文字もあり、これも見どころの一つとなっている。これらは基本的に、プロの書道家の代筆ではなく演者自らが書いているというから驚きだ。文字は人となりを映すものだという、制作側のこだわりを感じる。

◆先日、ドラマ内では枕草子が生み出される場面が描かれた。清少納言の持つ筆の先から溢れ出るように綴られた「春はあけぼの」の美しさには、胸を打つものがあった。この先描かれるであろう源氏物語の誕生も楽しみだ。私もドラマをきっかけに、古典文学に今一度触れ直してみたい。(S)

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