コラム「四季の風」

恵雨もたらす龍の年

2024.01.05

コラム「四季の風」

◆『龍天に昇る』という季語がある。龍は春分の頃に天に昇る、という中国の故事が由来だ。天に昇った龍は、地上に雨をもたらすという。今年の干支は辰年。天を揺るがすほどの力を持つ生き物の年だ。これから龍が降らせる雨は恵みの雨か、それとも。

◆2024年、時間外労働の上限規制適用まで約3カ月を切った。とにかく適応のすべを探るほかない状況だ。課題は多いが、これを好機とすることもできるはず。改革に挑む人の足が、前へ前へと軽快に進むことを祈る。

◆年明け早々には、北陸で大地震が発生し、羽田空港では航空機の衝突事故が起きた。新聞もテレビも、痛ましいニュースに溢れている。年始の華々しい雰囲気に影が落ちるなか、救助活動や道路の復旧などに尽力する人々がいることを忘れずにいたい。

◆新たな年は、不安の多い幕開けとなった。未知数の未来への恐怖心もある。しかし、歩んだ先で待っているかもしれない希望を信じ、一歩踏み出すことが、まずは小さな糧となるはず。これ以後は、世界中すべての人の頭上に恵みの雨が降り注ぎ、きらめく年になることを祈る。(S)

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