幕をおろすな
2022.12.05
コラム「四季の風」
◆東京都の世田谷パブリックシアターに足を運び「ショウ・マスト・ゴー・オン」という舞台を観劇した。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の脚本家としても有名な三谷幸喜さんの作・演出によるコメディ◆物語の舞台となるのは本番中の舞台袖。巻き起こるさまざまなトラブルを、鈴木京香さん演じる舞台監督が必死に切り抜けていくというもの。「一度あげた幕は絶対に途中で下ろしてはならない」という信念のもと汗を流すスタッフの姿にはおかしさと同時に一種の感動も味わわせてくれる。2時間という上演時間があっという間であった◆同作が上演されたのは94年以来28年ぶりということ。そのため、主演の舞台監督を男性から女性に変更するなど、脚本は現代の世相に合わせた大幅な修正が行われたという◆「何があっても絶対に止めてはならない」という仕事は、舞台以外にも数多く存在する。われわれ新聞社の仕事もそのひとつ。どのような状況下でも情報を心待ちにしているお客様のために毎朝新聞を届けねばならない。その使命感を再認識して、さあきょうも取材に行こう。(N)