コラム「四季の風」

悲しい事故を防ぐために

2022.09.13

コラム「四季の風」

 ◆静岡県牧之原市で、認定こども園に通う3歳の女の子が送迎バスに置き去りにされ、命を落とすという痛ましい事故が発生した。園の対応や会見に応じた理事長に対して強い批判が浴びせられている

◆被害者のご遺族の心痛は計り知れないもので、園側を擁護するつもりも全くない。しかし、果たしてこのこども園の関係者を糾弾するだけで問題は解決することなのだろうか

◆労働災害における経験則として、1件の重大事故が発生した時には重大事故に至らなかった軽微な事故が29件、事故寸前だった300件の事例が発生していると言われる。この経験則に照らし合わせれば、類似した軽微な事故は29件、事故寸前だった事例が300件あったことになる

◆保育士の人手不足や、待遇の悪さはたびたび話題にあがっている。どんな優れたシステムを導入しても、約束事を決めても、マンパワーが足りなくなればたやすく崩壊してしまう

◆これは保育業界だけでなく、建設業を含むあらゆる産業にもあてはまるだろう。悲しい事故を防ぐために、社会全体が労働環境の改善を後押しすべきなのではないか。(N)

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