コラム「四季の風」

犬が持つ無限の力

2022.06.07

コラム「四季の風」

◆通勤途中や帰り道、犬を見かけると得した気分になる。短い足をせかせか動かすコーギー、笑顔にしか見えない顔で駆けていく柴犬、飼い主に歩幅を合わせてゆったり歩くゴールデンレトリバー。犬を見ると、心がほっとするのは何故だろう。

◆縄文時代、犬と人間は狩猟のパートナーとして、すでに共に生きていた。互いに協力し、生きるための糧を得ていたのだ。嗅覚や聴覚に優れた犬は、人間にとってどれほど頼もしいパートナーだったことだろう。現代においても、犬は警察犬や災害救助犬として、人間を助けてくれている。

◆犬の嗅覚は、人間の1000倍以上優れているそうだ。実際、私がパンを買って帰ると、隣の家に住んでいる犬が柵越しに待ち構えていることがある。あれはパンの匂いを嗅ぎつけているからなのかもしれない。

◆病気を抱えた人に寄り添うセラピードッグも、心の支えという形で人間を助けてくれる。昔飼っていた犬も、ただそこにいるだけで癒しをくれた。今でも写真を見るだけで元気をもらえる。犬が持つ真の能力は、理屈を越えたところにある気がしてならない。(S)

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