コラム「四季の風」

1000匹のコイを眺める

2022.05.03

コラム「四季の風」

◆常陸太田市の竜神大吊橋では、「竜神峡こいのぼりまつり」が開催されている。新緑の中、およそ1000匹の鯉のぼりが泳ぐ姿は、まさしく壮大だ。新型コロナウイルス感染拡大の影響により3年ぶりの開催ということで、関係者の喜びもひとしおだろう

◆日本では、もともと将軍に男の子が生まれると、旗指物やのぼりを立てて祝う風習があり、それが武家に広がって、男の子が生まれた印としてのぼりを立てるようになったという

◆また、武家に対抗しようと、江戸の裕福な商家でも武具の模造品などを飾るようになり、立身出世のシンボルだったコイをのぼりにするアイディアが誕生。武家の「のぼり」に対して、町人の間では「こいのぼり」が揚げられるようになったそうだ

◆色は当初黒のみだったが、明治時代ごろから緋が加わり、その後、昭和時代から青や緑など子どものコイが添えられ、家族を表すスタイルになったと言われている

◆ネモフィラが見頃を迎えた国営ひたち海浜公園や笠間の陶炎祭(ひまつり)など、連休中に訪れたい所はたくさんあるが、のんびりとこいのぼりを眺めるのも良いかもしれない。(A)

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