コラム「四季の風」

身近な場所から新発見?

2024.07.09

コラム「四季の風」

 ◆「経典が語る常陸奥郡の中世-常陸太田市天神林町文殊院蔵『大般若経』の発見」の茨城大学展が、茨城大学図書館で開催されていたため行ってきた。常陸太田市の文殊院から、今回見つかった「大般若経」の断片と関連資料について解説する特別展で、佐竹氏やその家臣であった小野崎氏をめぐる歴史について新たな知見を加える資料と聞いて、興味がわいたため尋ねてみた

 ◆文殊院には、小野崎氏寄進による「大般若経」があると伝えられてきた。2019年に文殊院の須弥壇から大量の経典類が見つかり、史料の調査・整理を進めていく過程で発見されたそうだ。これまであるだろうと伝えられていたものを裏付ける史料が、隠されるように保管されていたことに、思わず想像を巡らせてしまう

 ◆身近なところに歴史の新発見が眠っている事実を改めて感じさせられた。その隠れた小さな発見も見逃さない研究者には脱帽だ。研究が進んで歴史が究明されていくのか、はたまた別の場所から新しい発見があるのか、どちらにしても、新発見がまっていると考えると心が躍る。(K)

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